整体
脊椎と自律神経の関係
2025.7.17

脊椎と自律神経は密接に関係しています。以下にその関係をわかりやすく説明します。
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🔹脊椎とは?
脊椎(背骨)は、脊髄(せきずい)という神経の束を守る骨の構造です。脊椎は頸椎・胸椎・腰椎・仙椎・尾椎の部分から構成され、**中を通る脊髄は脳からの命令を全身に伝える「神経の幹線道路」**のような役割を担っています。
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🔹自律神経とは?
自律神経は、意識とは無関係に身体の働きを調整する神経で、以下の2つから成り立ちます:
• 交感神経:興奮・緊張・活動状態(「戦うか逃げるか」の神経)
• 副交感神経:リラックス・休息・回復状態(「休む・消化する」神経)
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🔹脊椎と自律神経の関係
1. 脊髄から自律神経が枝分かれする
• 自律神経の多くは、脊髄から分かれて臓器や血管に向かうため、脊椎の歪みや緊張が神経伝達に影響することがあります。
2. 交感神経は胸椎と腰椎から出る
• 胸椎(T1〜T12)および腰椎(L1〜L2)から交感神経が分岐。
• 背骨のこの部分に問題があると、内臓の働き(心臓、肺、胃腸など)にも影響することがあります。
3. 副交感神経は脳幹と仙骨から出る
• 脳幹(特に迷走神経)と仙椎(骨盤近く)から副交感神経が出ています。
• 骨盤のゆがみなどが、副交感神経の働きを弱めることがあります。
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🔹よくある症状と関係部位の例
症状 | 関連する脊椎の部位 | 関連臓器や働き |
頭痛・目の疲れ | 頸椎(C1〜C3) | 脳への血流、視神経 |
胃の不調 | 胸椎(T5〜T9) | 胃・肝臓・膵臓 |
動悸・息切れ | 胸椎(T1〜T4) | 心臓・肺 |
下痢・便秘 | 腰椎〜仙椎(L1〜S2) | 腸の運動、自律神経バランス |
🔹脊椎を整えると自律神経が整う?
• カイロプラクティック、整体、ストレッチ、ヨガなどで脊椎を整えると、自律神経のバランスが整いやすくなることがあります。
• 正しい姿勢、睡眠、運動、呼吸も自律神経を安定させるために重要です。
以下は、脊椎の部位ごとに対応する自律神経と関連する臓器や機能をまとめた一覧表です。
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🧠 脊椎の部位別 自律神経・臓器対応表
脊椎の部位 | 神経の種類 | 主な支配臓器・器官 | 症状や影響の例 |
頸椎 C1〜C3 | 副交感神経(脳幹) | 頭・目・耳・顔面・交感神経節 | 頭痛、めまい、視力低下、耳鳴り |
頸椎 C4〜C7 | 運動神経・感覚神経(横隔神経:C3〜C5) | 横隔膜、首・肩 | 呼吸の浅さ、肩こり、首の痛み |
胸椎 T1〜T4 | 交感神経 | 心臓・肺・気管支 | 動悸、息切れ、胸の圧迫感 |
胸椎 T5〜T9 | 交感神経 | 胃、肝臓、胆嚢、膵臓 | 胃もたれ、消化不良、肝機能障害 |
胸椎T10〜T12 | 交感神経 | 腎臓、副腎、小腸 | 疲労感、血圧異常、免疫低下 |
腰椎 L1〜L2 | 交感神経 | 大腸、生殖器、膀胱 | 便秘・下痢、膀胱の不調、月経異常 |
仙骨 S2〜S4 | 副交感神経 | 骨盤内臓(直腸、膀胱、生殖器) |
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🔍 詳細ポイント
◉ 交感神経の出どころ:胸椎〜腰椎(T1〜L2)
• 緊張・興奮系の働き(心拍数↑、消化↓)
• 脊椎のゆがみ → 過緊張 → 自律神経失調の原因に
◉ 副交感神経の出どころ:脳幹&仙骨(S2〜S4)
• リラックス・回復系の働き(心拍数↓、消化↑)
• 骨盤のゆがみ → 副交感神経の機能低下 → 睡眠や内臓機能に影響
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📌 まとめ図(言葉で)
【上部(脳・頸椎)】→ 脳・顔・目・耳の調整
【胸椎上部】→ 心臓・肺
【胸椎中部】→ 胃・肝臓・胆嚢・膵臓
【胸椎下部〜腰椎】→ 腎臓・腸・副腎
【腰椎〜仙骨】→ 生殖器・膀胱・直腸